読んだ本を人にすすめる楽しみ|共有で広がる読書体験

読書

こんにちは、アリアです。

本を読むのはもちろん大好きなのですが、それと同じくらい「誰かにその本をすすめること」が私の楽しみになっています。

自分が感じたことや得たものを言葉にして伝えると、その瞬間から読書体験は“ひとりのもの”から誰かと共有するものに変わるんです。


■ 誰かにすすめることで、本がもう一度生きる

私が人に本をすすめたときに感じるのは、その本の世界が自分の中で二度輝くということです。

ひとりで読んだときに感じた心の動きを、人に伝えるために言葉にすると「あぁ、私はここに感動したんだ」と改めて自覚できる。しかも、相手が読んでくれたら、今度はその人の感想を通して、自分の読書体験が新しい姿で返ってくるんです。

以前、友人に『人間失格』をすすめたことがありました。

太宰治の名作として有名で、正直「少し古くて難しい」と思われがちな作品です。でも私がすすめたのは、小畑健さんが装画を手がけた新しい装丁版でした。

友人は「難しそうだから避けてたけど、この表紙なら手に取ってみたくなるね」と言ってくれて、実際に読んでくれたんです。

その後、友人から「内容は重かったけど、不思議と引き込まれた」と感想をもらい、私は「装画ひとつで古典がこんな風に“今の本”としてよみがえるんだ」と改めて気づかされました。すすめる側も、相手の新しい視点から刺激をもらえる。これが本をすすめる醍醐味だと思います。


■ 読書が会話を育てる

本をすすめることで、思わぬ会話が生まれることもあります。

例えば、私は『私の幸せな結婚』を友人に紹介したとき、その子が「キャラクターに自分を重ねながら読んでしまった」と話してくれて、そこから「自分はどんな恋愛観を持っているのか」みたいな深い話に発展したことがありました。

本を通してお互いの価値観や考え方に触れると、普段の会話では出てこない一面が見えるんです。本は単なる娯楽を超えて、人と人とをつなぐ“架け橋”になるのだと感じます。


■ すすめるときに意識していること

私は本を人にすすめるとき、ただ「面白かったよ」と言うだけではあまり響かないことを実感してきました。

相手に伝わるすすめ方を工夫すると、相手が実際に本を手に取ってくれる確率もぐんと上がるんです。そこで、私が普段気をつけていることを少し詳しくお話しします。

1. 相手の状況や気分に合わせる

忙しくて落ち着いて読書する時間が少ない人に、分厚い大作をすすめてもハードルが高いですよね。そんなときは短編集やエッセイを提案します。

逆に、じっくり腰を据えて読みたいタイプの人には長編小説やシリーズものをすすめると喜ばれます。

「相手に合ったタイミングの本」を選んであげることが、すすめ上手への第一歩だと思っています。

2. 表紙や装丁も伝える

本は中身が大事なのはもちろんですが、「手に取りたくなるかどうか」には装丁も大きく関わります。

例えば、太宰治『人間失格』は古典文学として有名ですが、小畑健さんが装画を担当した版をすすめたとき、友人が「難しそうだから避けていたけど、この表紙なら読んでみたい」と言ってくれたことがありました。

こうした“入り口”を工夫して紹介することで、相手が本に近づきやすくなるんです。

3. あらすじではなく「自分が感じたこと」を話す

相手にすすめるときは、ストーリーの説明よりも「どんな気持ちが残ったか」を伝えるようにしています。

この本のラストで涙が止まらなくなった」とか「読んだあと、自分の生き方を見つめ直した」など、感情を言葉にすると相手の心に届きやすいんです。

私自身も、友人から「この本を読んだら元気が出た」という一言を聞いただけで読んでみたくなったことがあります。

4. 読むハードルを下げる一言を添える

1日10分でも読めるよ」「短編だから区切りやすいよ」といった補足を加えると、相手が「自分でも読めそう」と思えるようになります。

特に普段あまり本を読まない人にすすめるとき、この一言が大きな後押しになるんです。

5. 相手に合わせて“余白”を残す

最後に大事にしているのは、本を絶賛しすぎないこと。

絶対に読むべき!」と言われると人は逆に構えてしまうものです。

私はあえて「私はここが好きだったけど、人によって感じ方は違うかも」と伝えるようにしています。その“余白”があることで、相手が自分なりに本を受け止める余地を残せるんです。


■ まとめ:読書は共有するともっと豊かになる

本はひとりで楽しめる静かな時間をくれるけれど、誰かにすすめるとその楽しさは倍になります。

相手の感想を聞くことで、自分の読書体験が広がり、まるで本そのものが新しい命を得たように感じられるんです。

おすすめすることで、本は「自分だけの世界」から「誰かと分かち合う世界」へ。

そしてその循環こそが、読書のもうひとつの大きな魅力なのだと思います。

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